小規模事業者持続化補助金<創業型>創業後でも申請できる条件

公開日:編集日:監修:株式会社オットセッテ読了目安:約13分
小規模事業者持続化補助金<創業型>創業後でも申請できる条件

「創業したばかりだけど、小規模事業者持続化補助金は使えるの?」という疑問をお持ちの個人事業主の方は多いのではないでしょうか。実は、創業間もない事業者を対象にした「小規模事業者持続化補助金<創業型>」という専用の制度があります。この記事では、創業期の事業者が申請できる条件や補助率・補助上限額、申請の流れ、つまずきやすいポイントを、2026年5月27日公開の第4回公募要領をもとに整理して解説します。

1創業したばかりでも申請できる?結論からお伝えします

結論からお伝えすると、創業したばかりの小規模事業者・個人事業主でも、一定の要件を満たせば小規模事業者持続化補助金を申請することができます。特に創業期の事業者向けに用意されているのが「小規模事業者持続化補助金<創業型>」です。

ただし、誰でも無条件に申請できるわけではありません。創業型には「創業の仕方」や「創業からの経過期間」に関する独自の要件があり、通常の小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>とは申請要件や補助上限額が異なります。まずはこの制度の全体像から押さえていきましょう。

2小規模事業者持続化補助金<創業型>とは

小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後1年以内の小規模事業者等を重点的に支援するために設けられた制度です。自ら策定した経営計画に基づく販路開拓の取組や、その取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取組にかかる経費の一部を補助してくれます。

対象となるのは、産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受けた小規模事業者等です。このキーワードだけ見ると難しく感じますが、要するに「自治体などが実施する公的な創業支援プログラムのサポートを受けて創業した事業者」が対象になる、とイメージしていただくと分かりやすいかと思います。

💡

小規模事業者持続化補助金全体の制度趣旨や基本的な仕組みについては、別記事「小規模事業者持続化補助金とは?対象要件と補助率をわかりやすく解説」でも詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

3創業型の補助対象者・申請要件

創業型を申請するには、大きく分けて「小規模事業者であること」「資本金・出資金の要件」「申請要件(創業時期や特定創業支援等事業に関する要件)」をすべて満たす必要があります。順番に見ていきましょう。

小規模事業者の定義

まず前提として、以下の従業員数の基準を満たす「小規模事業者」である必要があります。

業種常時使用する従業員数の基準
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

創業したばかりの個人事業主であれば、従業員数の要件で引っかかるケースは少ないかもしれませんが、法人として複数名を雇用している場合は業種区分とあわせて確認しておきましょう。

💡

ここで特に迷いやすいのが「製造業その他」の考え方です。公募要領では、「製造業その他」とは自社で流通性のあるモノ(ソフトウェアのような無形の商品や無形の価値を含む)を生産する事業、他者が生産したモノに加工を施すなどして、さらに価値を付与する事業(在庫性のある商品を製造する事業)を指すとされています。また、「商業・サービス業」「宿泊業・娯楽業」「製造業」のいずれにも当てはめにくい事業(建設業・運送業など)や、区分の異なる複数の事業を営んでいて判断が難しい場合は、「その他」として「製造業その他」の従業員基準(20人以下)が使われます。

特定創業支援等事業による支援が必須

創業型ならではのポイントが、この「特定創業支援等事業による支援を受けていること」という要件です。これは、お住まいの市区町村(または連携する創業支援等事業者)が実施する公的な創業支援プログラムを指します。

申請にあたっては、この支援を受けたことを証明する「証明書」の写しを提出する必要があります。証明書は、特定創業支援等事業を実施した「認定市区町村」が発行するものに限られますので、まだ支援を受けていない方は、お早めにお住まいの市区役所・町村役場へご相談ください。

💡

証明書の有効期限が切れている場合でも、他の要件に適合していれば提出書類として認められます。ただし、発行には時間がかかる場合があるため、公募締切から逆算して早めに動くことが大切です。

開業日・支援を受けた日の「過去1か年」要件

創業型の申請要件として特に重要なのが、「特定創業支援等事業による支援を受けた日」および「開業日(法人の場合は設立年月日)」が、公募締切時から起算して過去1か年の間であることです。

  • 法人の場合:現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書に記載の「会社成立の年月日」で判断されます
  • 個人事業主の場合:開業届の「開業・廃業等日」で判断されます

法人の場合は、支援を受けた者が「代表者」であることも要件です。代表者以外の役員や従業員が支援を受けた場合は対象外となりますのでご注意ください。個人事業主の場合も同様に、事業主本人が支援を受けている必要があり、家族専従者や後継予定者が代わりに支援を受けた場合は対象外です。

⚠️

個人事業を法人化した場合は、個人事業の開業日から1年を経過していると申請できません。法人成りを検討している創業期の方は、タイミングに注意が必要です。また、過去に小規模事業者持続化補助金<創業型>で採択され事業を実施した事業者は、代表者を変更しても再度の申請はできません。

まだ開業していない・事業活動前でも申請できるケース

創業型では、申請時点ですでに商品・サービスの提供を始めている事業者だけでなく、創業して間もなく、まだ事業活動を開始していない事業者も補助対象になり得るとされています。例えば、次のようなケースです。

  • 店舗がオープン準備中である事業者
  • ECモールへの出店準備中である事業者
  • 販売先への営業活動をまだ開始していない事業者

ただし、これらのケースでは「補助事業終了までに商品またはサービスの提供を開始し、事業活動を開始すること」が必須条件です。この要件を満たさない場合は補助金が交付されず、交付後に事業活動が行われていなかったことが判明すれば交付決定が取り消されますので、計画段階からスケジュールをしっかり組んでおく必要があります。

❗

一方で「申請時点で開業していない創業予定者」は、たとえ税務署にすでに開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日より後の場合は対象外となります。「準備中でもOK」と「未開業は不可」は紙一重の違いですので、ご自身の状況がどちらに当たるか、曖昧な場合は商工会・商工会議所や事務局への確認をおすすめします。

4補助率・補助上限額

創業型の補助率・補助上限額は、以下のとおりです(第4回公募要領時点の情報です)。

補助率2/3
補助上限額200万円
インボイス特例要件を満たす場合、上限額に50万円を上乗せ

インボイス特例は、2023年10月1日以降に創業した事業者のうち、補助事業終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けている場合などに適用される上乗せ措置です。創業型は一般型(補助上限50万円)と比べて上限額が大きく設定されているのが特徴ですが、その分、特定創業支援等事業による支援という独自の要件を満たす必要がある点に注意しましょう。

5対象となる経費

補助対象となる経費の種類は、一般型と同じく以下の8つです。

  • 機械装置等費
  • 広報費
  • ウェブサイト関連費
  • 展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
  • 旅費
  • 新商品開発費
  • 借料
  • 委託・外注費

これらはあくまで「策定した経営計画に基づいて実施する取組」に必要な経費であることが前提です。例えば広報費やウェブサイト関連費は単独での申請ができず、他の経費とあわせて申請する必要があるほか、それぞれ補助金交付申請額の上限が30万円(税込)に設定されています。経費の詳しい対象・対象外の線引きは細かく定められていますので、申請前に公募要領の該当箇所を必ずご確認ください。

6第4回公募のスケジュール

創業型 第4回公募のスケジュールは以下のとおりです(2026年5月27日公開の公募要領時点の予定であり、変更される場合があります)。

公募要領公開2026年5月27日(水)
申請受付開始2026年11月5日(木)
事業支援計画書(様式4)発行の受付締切2026年12月4日(金)
申請受付締切2026年12月15日(火)17:00
採択発表予定日2027年3月頃(予定)
❗

特に見落としやすいのが、商工会・商工会議所に発行してもらう「事業支援計画書(様式4)」の発行受付締切が、申請受付締切より前に設定されている点です。発行には面談や書類確認などで時間がかかる場合があるため、余裕を持って早めに依頼することが大切です。受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由があっても対応してもらえません。

7申請に必要な主な書類と手続きの流れ

創業型の申請では、一般型にはない創業期特有の書類提出が求められます。主な必須書類は次のとおりです。

  • 小規模事業者持続化補助金<創業型>に係る申請書(様式1)
  • 経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)
  • 補助事業計画書②(様式3)
  • 事業支援計画書(様式4)(商工会・商工会議所が発行)
  • 補助金交付申請書(様式5)
  • 宣誓・同意書(様式6)
  • 特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書の写し
  • 創業計画書等(特定創業支援等事業において策定したもの、または支援後に策定したもの)
  • 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(法人の場合)/開業届の写し(個人事業主の場合)
  • 貸借対照表・損益計算書または確定申告書など(決算期を迎えているかどうかで異なる)

申請の大まかな流れは以下のとおりです。

  1. GビズIDプライムのアカウントを取得する
  2. 経営計画・補助事業計画(様式2・3)を作成する
  3. 地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する
  4. 必要書類をすべて揃えて電子申請システムから申請する
  5. 採択後、見積書等を提出し、交付決定を受けてから補助事業を開始する
  6. 補助事業終了後、実績報告書を提出し、補助金額が確定する

創業型は「商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業」であることが申請要件のひとつです。社外の代理人だけで商工会・商工会議所への相談や事業支援計画書の発行依頼を行うことはできない点にも留意しておきましょう。

8よくある失敗・注意すべきポイント

創業期の事業者からよくいただくご相談や、申請時につまずきやすいポイントを整理しました。

  • 特定創業支援等事業の証明書の取得に時間がかかり、締切に間に合わなかった
  • 法人代表者ではなく、他の役員が創業支援プログラムを受講していたため対象外になった
  • 開業日から1年を過ぎてから申請しようとして、要件を満たせなかった
  • 事業支援計画書(様式4)の発行依頼を後回しにして、受付締切に間に合わなかった
  • 創業型と一般型 通常枠の両方に申請しようとしてしまった(重複申請は不可)
  • 「事業者自らが検討した」ことが伝わる記載がなく、評価にかかわらず不採択・交付決定取消となった

特に、特定創業支援等事業の証明書や事業支援計画書は、ご自身の都合だけでなく自治体や商工会・商工会議所の対応スケジュールにも左右されます。「申請受付締切に間に合えばよい」と考えず、できるだけ早い段階で準備を始めることが、スムーズな申請につながります。

9一般型との違いにも注意

小規模事業者持続化補助金には、創業型のほかに「一般型 通常枠」もあります。両者は似た制度ですが、以下のような違いがあります。

項目創業型一般型 通常枠
対象者特定創業支援等事業の支援を受け、開業・設立から過去1年以内の小規模事業者等小規模事業者等(創業後の期間に関する制限は原則なし)
補助上限額200万円(インボイス特例で+50万円)50万円(各種特例の上乗せあり)
補助率2/32/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
未開業・未事業活動の扱い創業準備中でも一定条件で対象となり得る開業届を提出していても事業未開始の場合は対象外

どちらの制度も、小規模事業者持続化補助金<創業型>と<一般型 通常枠>の重複申請はできません。創業後1年以内で特定創業支援等事業の支援を受けている方は、補助上限額が高い創業型を検討する価値が大きいと言えるでしょう。制度全体の違いをより詳しく知りたい方は、ピラー記事「小規模事業者持続化補助金とは?対象要件と補助率をわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。

10よくある質問

Q1
まだ開業していなくても申請できますか?

申請時点で開業していない創業予定者は、原則として対象外です。ただし、すでに開業済みで、店舗オープン準備中やECモールへの出店準備中など、まだ事業活動を開始していない段階の事業者は対象になり得ます。補助事業終了までに実際に事業活動を開始することが条件となりますので、ご自身の状況が「未開業」なのか「開業済み・準備中」なのかを正確に確認することが大切です。

Q2
創業してからどのくらいの期間なら申請できますか?

特定創業支援等事業による支援を受けた日、および開業日(法人の場合は設立年月日)が、公募締切時から起算して過去1か年の間であることが要件です。第4回公募の締切は2026年12月15日(火)17:00の予定ですので、ご自身の開業日がこの基準を満たすか、最新の公募要領で確認しましょう。

Q3
創業型と一般型、どちらに申請すればよいですか?

創業後1年以内で、特定創業支援等事業による支援を受けている場合は、補助上限額が高い創業型の対象になる可能性があります。ただし両制度への重複申請はできないため、ご自身の創業時期や支援の有無を踏まえて、どちらの要件に合致するかを事前に見極める必要があります。

11まとめ

創業したばかりの事業者でも、特定創業支援等事業による支援を受けており、開業日や支援を受けた日が公募締切から過去1年以内であれば、小規模事業者持続化補助金<創業型>に申請できる可能性があります。補助上限額は200万円(インボイス特例でさらに50万円上乗せ)、補助率は2/3と、創業期の販路開拓の取組を後押ししてくれる内容です。

一方で、特定創業支援等事業の証明書や事業支援計画書(様式4)の取得には時間がかかること、法人代表者・個人事業主本人が支援を受けている必要があることなど、創業型ならではの注意点も少なくありません。本記事の内容は2026年5月27日公開の第4回公募要領に基づくものですので、実際に申請を検討される際は、必ず最新の公募要領・公式サイトで要件やスケジュールをご確認ください。

あなたの会社が使える補助金・助成金を、無料で診断できます

いくつかの質問に答えるだけで、申請できる可能性のある補助金・助成金がわかります。申請サポートのご相談は、お問い合わせ・電話・オンラインで承っています。

必要書類一覧|申請枠ごとの違い

個人事業主が申請する際の注意点

関連情報: 小規模事業者持続化補助金の賃上げ加点・特例|最大150万円上乗せの条件

関連情報: 小規模事業者持続化補助金の加点項目一覧|採択率アップのコツ

本記事の情報は公開時点(2026年10月)のものです。