小規模事業者持続化補助金とは?対象要件と補助率をわかりやすく解説【第20回】

公開日:編集日:監修:株式会社オットセッテ読了目安:約21分
小規模事業者持続化補助金とは?対象要件と補助率をわかりやすく解説【第20回】

「小規模事業者持続化補助金」という名前は聞いたことがあっても、「一般枠と創業枠は何が違うの?」「うちの会社は対象になるの?」「結局いくらもらえるの?」と疑問を持たれる経営者の方は多いのではないでしょうか。この記事では、2026年5月27日公開の最新公募要領(小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募、小規模事業者持続化補助金<創業型>第4回公募)をもとに、制度の全体像・対象者の条件・補助率や補助上限額・申請スケジュール・必要書類を、初めて制度を知る方にも分かりやすく整理します。第20回公募から要件が変更された点にも触れていますので、これから申請を検討する方はぜひ参考にしてください。

1小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者(および一定の要件を満たす特定非営利活動法人)が、自ら策定した経営計画にもとづいて行う販路開拓等の取り組みや、それとあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みにかかる経費の一部を補助する制度です。チラシ作成や広告出稿、ウェブサイトの制作、展示会への出展、新商品の試作、店舗改装、機械装置の導入など、幅広い用途に活用できる点が特徴です。

この補助金には、大きく分けて次の2つの枠(正式には別々の補助金として運用されています)があります。

  • 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>(既存の事業者向け。2026年度は第20回公募)
  • 賃上げに関する特例・加点制度の詳しい条件は、賃上げ加点・特例の条件を解説した記事でまとめて解説しています。

  • 小規模事業者持続化補助金<創業型>(創業して間もない事業者向け。2026年度は第4回公募)

どちらも「商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画を作り、販路開拓に取り組む」という基本的な考え方は共通していますが、対象者の条件や補助上限額、必要書類には違いがあります。以下、それぞれの違いを整理しながら解説します。

💡

一般枠と創業枠は重複して申請することができません。創業枠に申請中・採択済みの事業者は一般枠の対象外となり、逆も同様です。どちらの枠が自社に合っているかは、創業からの経過期間や特定創業支援等事業の利用有無で判断することになります。

2対象者・要件

共通する「小規模事業者」の定義

両方の枠に共通する大前提として、「小規模事業者」に該当するかどうかは、業種ごとの従業員数で判断されます。

業種常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

この「常時使用する従業員」には、日雇労働者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者は含まれません。また、会社役員や同居の親族従業員も対象外です。業種の判定は、現在行っている事業(または今後予定している事業)の実態にもとづいて行われます。

💡

ここで特に迷いやすいのが「製造業その他」の考え方です。公募要領では、「製造業その他」とは自社で流通性のあるモノ(ソフトウェアのような無形の商品や無形の価値を含む)を生産する事業、他者が生産したモノに加工を施すなどして、さらに価値を付与する事業(在庫性のある商品を製造する事業)を指すとされています。また、「商業・サービス業」「宿泊業・娯楽業」「製造業」のいずれにも当てはめにくい事業(建設業・運送業など)や、区分の異なる複数の事業を営んでいて判断が難しい場合は、「その他」として「製造業その他」の従業員基準(20人以下)が使われます。

たとえば飲食業の場合、自店舗で「調理した料理をその場で提供するだけ」であれば「商業・サービス業」に区分されますが、これに加えて「流通性のあるお弁当・お惣菜・お土産などを製造している」場合や、飲食以外に別の事業を行っている場合は、「製造業その他」に区分されることがあります。業種名や従業員数だけで自己判断せず、実際に行っている事業の内容に照らして、小規模事業者の定義に当てはまるかどうかを確認することが大切です。

一般枠(<一般型 通常枠>)の対象者

一般枠は、すでに事業を営んでいる小規模事業者・特定非営利活動法人(一定要件を満たすもの)が対象です。会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合、士業法人など)、個人事業主(商工業者であること)が主な対象となります。

一方で、次のような事業者は対象になりません。

  • 医師、歯科医師、助産師
  • 系統出荷のみの収入である個人農業者(林業・水産業者も同様)
  • 一般社団法人・公益社団法人、一般財団法人・公益財団法人、医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人、協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
  • 任意団体
  • 申請時点で開業していない創業予定者(開業届を提出していても、開業日が申請日より後の場合は対象外)

また、資本金または出資金が5億円以上の法人に直接・間接に100%の株式を保有されている事業者も対象外です。

❗

一般枠では第20回公募から、直近過去3年分の課税所得の年平均額が一定額を超える事業者は補助対象外とする条件が新設されています。具体的な金額や算定方法は必ず最新の公募要領でご確認ください。

創業枠(<創業型>)の対象者

創業枠は、創業して間もない小規模事業者等を重点的に支援するために設けられた枠です。対象となるのは、次の2つの要件をどちらも満たす事業者です。

  1. 産業競争力強化法にもとづく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受けていること
  2. その支援を受けた日、および開業日(法人の場合は設立年月日)が、公募締切時から起算して過去1か年の間であること

「特定創業支援等事業」とは、商工会・商工会議所や金融機関などが行う創業塾・創業セミナーとは異なり、市区町村が認定した創業支援の取り組みを指します。この支援を受けたことの証明書は、認定市区町村が発行するものに限られ、商工会・商工会議所が発行する受講証や修了証では代用できない点に注意が必要です。

なお、法人の場合は代表者本人(代表取締役・代表社員など)が特定創業支援等事業の支援を受けている必要があり、代表者以外の役員や従業員が支援を受けた場合は対象外となります。個人事業主の場合も同様に、本人以外(家族専従者など)が支援を受けた場合は対象になりません。

⚠️

個人事業から法人化した場合、個人事業の開業日から1年を経過していると創業枠には申請できません。法人としての設立日だけでなく、個人事業としての開業日も基準になる点を見落とさないようにしましょう。

また、過去に創業枠で採択を受けて補助事業を実施した事業者は、代表者を変更したとしても再度の申請はできません。

3補助率・補助上限額

補助率・補助上限額は一般枠と創業枠で異なります。それぞれ整理します。

一般枠(第20回公募)の補助率・補助上限額

区分補助上限額
基本の補助上限額50万円
インボイス特例を満たす場合上記に50万円上乗せ
賃金引上げ特例を満たす場合上記に150万円上乗せ
両特例をともに満たす場合上記に200万円上乗せ

補助率は原則2/3ですが、賃金引上げ特例のうち業績が赤字の事業者については3/4に引き上げられます。

💡

賃金引上げ特例は、補助事業実施期限日(2028年3月31日)までの12か月とその前年同月の12か月を比較し、従業員1人あたりの給与支給総額を年平均3.0%以上増加させることなどが要件です。詳しい算定方法は公募要領でご確認ください。

つまり、基本の補助上限額50万円にインボイス特例対象事業者は50万円の上乗せ、賃金引上げ特例対象事業者は150万円の上乗せ、両特例対象事業者は200万円の上乗せとなるため、インボイス特例・賃金引上げ特例の両方の要件を満たす場合は、最大で250万円の補助金になるということです。

創業枠(第4回公募)の補助率・補助上限額

区分補助上限額
基本の補助上限額200万円
インボイス特例を満たす場合上記に50万円上乗せ

補助率は2/3です。創業枠には一般枠のような賃金引上げ特例はありませんが、基本の補助上限額自体が200万円と高く設定されている点が特徴です。

⚠️

インボイス特例は、両枠とも「補助事業終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けていること」などの要件を満たさない場合、上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付されないという厳しいルールになっています。申請時に安易にチェックを入れず、要件を満たせる見込みがあるか事前に確認しましょう。

4対象経費

補助対象となる経費の区分は、一般枠・創業枠ともに共通しており、次の8区分です。

  • 機械装置等費
  • 広報費
  • ウェブサイト関連費
  • 展示会等出展費(オンラインの展示会・商談会を含む)
  • 旅費
  • 新商品開発費
  • 借料
  • 委託・外注費

8区分の中でも、申請時に「どちらに計上すればよいか」迷いやすいのが、広報費とウェブサイト関連費です。どちらも補助金交付申請額の上限が30万円(税込)と定められており、これらの経費だけで申請することはできません(必ず他の経費とあわせて申請する必要があります)が、対象となる経費の中身は異なります。

広報費の対象経費例

広報費は、紙媒体や動画・SNSなどを使って、商品・サービスを周知するための経費です。公募要領では、チラシ・カタログの外注や発送、新聞・雑誌等への商品・サービスの広告、看板作成・設置などが対象経費例として挙げられています。このほか、郵送、インターネットを介したDMの発送、インターネット広告、バナー広告の実施、インターネットでのプレスリリース配信、電子パンフレット作成、商品・サービスの宣伝のための画像や動画作成、SNS広告、運用代行費、街頭ビジョンやデジタルサイネージ広告への掲載なども広報費の対象です。 一方で、商品・サービスの宣伝広告を目的としない広告・看板・会社案内パンフレット作成・求人広告のように、単なる会社のPRや営業活動に使われるものは対象外とされています。

ウェブサイト関連費の対象経費例

ウェブサイト関連費は、ホームページやシステムの開発・改修に関する経費です。公募要領では、オフライン含むシステム開発、顧客管理システムの構築、アプリケーション開発、業務効率化のためのソフトウェアや、販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア(精度の高い図面提案のための設計用3次元CADソフト、販促活動実施に役立てる顧客管理ソフト等)、商品販売のための自社ウェブサイト作成や更新、効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策などが対象経費例として挙げられています。 逆に、ウェブサイトおよびシステムに関連するコンサルティング、アドバイス費用や家庭および一般事務用ソフトウェア、既に導入しているソフトウェアの更新料などは対象外です。

💡

簡単に言うと、「紙・広告・SNSなどで商品を宣伝する費用」は広報費、「ホームページやシステムそのものを作る・改修する費用」はウェブサイト関連費、というイメージで区分すると分かりやすくなります。なお、自社ホームページや、ECサイトにて使用する動画や写真の制作費用等については、③ウェブサイト関連費にて計上してくださいとされている点にも注意が必要です。

どの経費区分であっても「交付決定日より前に発注・契約・支払いをしたもの」は補助対象外となるため、採択されてから発注する、という順番を必ず守る必要があります。

❗

補助金交付決定通知書を受け取る前の発注・契約・支払いは、理由を問わず補助対象外です。採択通知が届いても、交付決定通知書が届くまでは発注できない点に注意してください。

対象経費の具体例や対象外になる経費の詳細は、業種によって判断が分かれるケースも多いため、別記事「対象になる経費・ならない経費の具体例を業種別に紹介」もあわせてご覧いただくことをおすすめします。

5公募スケジュール

一般枠(第20回公募)・創業枠(第4回公募)とも、公募要領の公開日と申請受付スケジュールは同じ日程になっています。

公募要領の公開2026年5月27日(水)
申請受付開始2026年11月5日(木)
事業支援計画書(様式4)発行の受付締切2026年12月4日(金)
申請受付締切2026年12月15日(火)17:00
採択発表予定日2027年3月頃(予定)
見積書等の提出期限2028年2月29日(火)
補助事業実施期限2028年3月31日(金)
❗

「事業支援計画書(様式4)」は商工会・商工会議所に発行してもらう必要があり、発行受付の締切は申請受付締切より早い2026年12月4日(金)です。この締切を過ぎると、いかなる理由があっても発行を受けられず、申請自体ができなくなります。余裕を持って早めに相談することが重要です。

なお、上記の日程は予定であり、変更される場合があります。申請を検討する際は、必ず補助金事務局の公式サイトで最新の公募要領を確認してください。

6必要書類・申請の流れ

申請までの基本的な流れ

  1. GビズIDプライム(またはメンバー)のアカウントを取得する
  2. 経営計画・補助事業計画(様式2・3)を作成する
  3. 地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する
  4. 必要書類をすべて揃え、電子申請システムから申請する
  5. 採択後、見積書等を提出し、審査を経て交付決定を受ける

GビズIDプライムのアカウント取得には数週間ほどかかる場合があるため、申請を検討し始めた段階で早めに手続きを進めておくことをおすすめします。また、申請は電子申請システムのみで受け付けられ、郵送での申請は一切できません。

💡

直近の第19回小規模事業者持続化補助金<一般型>では、全国平均の採択率が47.2%となっており、しっかりとした準備が必要な補助金です。採択率を左右する最も大きなポイントは、何と言っても「事業計画書の精度」にあります。

弊社では、この事業計画書の精度を高めるためのサポートに力を入れており、サポートさせていただいた案件の採択率は90%超という実績があります。そのノウハウをもとに、小規模事業者持続化補助金専用のAI事業計画書策定ツール「SaitaQly(サイタクリー)」を監修・リリースしました。無料でも一部機能をご利用いただけますので、事業計画書の作成に不安がある方はぜひ試してみてください。

SaitaQly(サイタクリー)を見てみる

共通して必要になる主な書類

  • 申請書・経営計画書兼補助事業計画書・補助事業計画書・補助金交付申請書・宣誓同意書(いずれも電子申請システム上で入力・添付)
  • 事業支援計画書(様式4、商工会・商工会議所が発行)
  • 直近の確定申告書や決算書類(個人事業主は確定申告書第一表・第二表+収支内訳書または青色申告決算書、法人は貸借対照表・損益計算書)

創業枠で追加に必要となる書類

  • 特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書(認定市区町村が発行したものに限る)
  • 創業計画書等(特定創業支援等事業の中で策定されたもの、または支援後に策定されたもの)
  • 開業日に関する書類(個人事業主は開業届、法人は現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書)

特に創業枠では、「①特定創業支援証明書」「②決算書類等」「③開業日に関する書類」の3点が、申請の際に添付漏れが多い書類として補助金事務局から注意喚起されています。開業日が記載されていない開業届は無効になる点、現在事項全部証明書・履歴事項全部証明書は申請書の提出日から3か月以内に発行されたものである必要がある点は、特に見落としやすいポイントです。

決算期を一度も迎えていない事業者は、決算書類の代わりに売上台帳等(任意書式)の写しを提出することになりますが、「申請時点で事業活動を開始しているかどうか」によって提出のタイミングが申請時か実績報告時かに分かれます。この点は個人事業主の方がつまずきやすいポイントのひとつですので、別記事「個人事業主が申請する際の注意点とよくあるつまずきポイント」もあわせてご確認ください。

7第20回公募から変わった主なポイント

一般枠は、第20回公募にあたって、過去の公募回から要件がいくつか見直されています。特に次の点は、これまで申請を経験したことがある事業者も含めて、改めて確認しておく必要があります。

  • 課税所得による制限の新設:確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が一定額を超える場合は、補助対象外となる条件が新設されました。具体的な基準額は公募要領でご確認ください。
  • 過去の採択実績による再申請制限の明確化:「一般型 通常枠」「コロナ特別対応型」「低感染リスク型ビジネス枠」「創業型」のいずれかで採択を受けて補助事業を実施した事業者は、事業実施期間終了日の翌月から1年が経過し、かつ事業効果等状況報告書の提出完了からさらに1年が経過しないと再度申請できないことが明記されました。
  • 審査における減点調整:過去に持続化補助金で採択を受けた実施回数等に応じて、段階的に減点調整が行われる仕組みが明記されています。
  • 広報費の上限額の新設:これまで上限のなかった広報費について、補助金交付申請額の上限が30万円(税込)と定められました。当経費の補助金交付申請額の上限は30 万円(税込)です。
  • ウェブサイト関連費の上限額の引き下げと対象経費の見直し:ウェブサイト関連費も補助金交付申請額の上限が30万円(税込)に設定されました。当経費の補助金交付申請額の上限は30 万円(税込)です。あわせて、これまでウェブサイト関連費の対象とされていた経費の一部(商品・サービスの宣伝のための画像や動画作成、SNS広告・運用代行費など)が広報費側の対象経費に整理されています。計上する経費がどちらの区分に当たるかは、公募要領の経費区分を必ず確認してください。
  • 賃金引上げ特例の算定方法の変更:これまでは「事業場内最低賃金を申請時より50円以上引き上げる」ことが要件でしたが、第20回公募では従業員1人あたりの給与支給総額を、前年同月の12か月と比較して年平均3.0%以上増加させることが要件に変わりました。補助事業実施期限日を終点とした連続する12か月とその前年同月の12か月を比較し、従業員 1人あたり給与支給総額を3.0%以上増加させること。
  • 賃金台帳の提出時期の変更:従来は申請時に賃金台帳の提出が必要でしたが、第20回公募では申請時の提出は不要となり、採択後から交付決定までの間に提出する流れになりました。労働基準法に基づく、採択発表日の属する月を終点とした連続する12か月分の賃金台帳(※1)の写し(※2)。
  • 算定対象となる従業員の考え方の変更:給与支給総額の算定に含める従業員は、比較対象となる12か月間とその前年同月の12か月間のいずれにおいても、全月分の給与等の支給を受けた従業員のみに限定されます。1 人あたり給与支給総額の算出に含める従業員は、賃金引上げの比較対象期間である「補助事業実施期限日を終点とした連続する12か月」および「その前年同月の12か月」の各期間にて、全月分の給与等の支給を受けた従業員とします。中途採用や退職等により、いずれかの期間において全月分の給与等の支給を受けていな要件もし中途採用や退職などにより、該当する月に算定対象となる従業員が1人もいなくなってしまった場合は、年平均上昇率を算出できなくなるため、賃金引上げ特例の対象外となり、補助金が交付されません。(注)賃金引上げの比較対象期間(補助事業実施期限日を終点とする12か月およびその前年同月の12か月)の各期間にて、いずれかの月で算定対象となる従業員が存在しない場合は、1 人あたり給与支給総額を算出できないため、本特例の対象外となります。
⚠️

これらの変更は一般枠(<一般型 通常枠>)の公募要領に記載されている内容です。創業枠(<創業型>)は別の公募要領・交付規程にもとづいて運用されているため、要件が異なります。「以前申請したときはこうだった」という情報だけで判断せず、申請の都度、最新の公募要領を確認することが大切です。

❗

賃金引上げ特例を希望する場合は、交付決定後に従業員が退職するなどして算定対象者がいなくなると、補助金が交付されなくなる可能性があります。特例を申請する際は、比較対象期間を通じて給与支給の実績が続く従業員がいるかどうかを、事前によく確認しておきましょう。

制度変更の背景や過去の公募回との違いをさらに詳しく知りたい方は、別記事「直近の制度変更点と過去の公募回との違いを整理して解説」もあわせてご覧ください。

8よくある失敗・注意点

弊社がこれまで補助金申請のサポートに携わってきた中で、特につまずきやすいと感じるポイントを紹介します。

1
事業支援計画書の発行依頼が遅れる

事業支援計画書(様式4)は商工会・商工会議所の窓口に依頼してから発行までに時間がかかることがあります。発行受付の締切は申請受付締切よりも早く設定されているため、「申請締切に間に合わせたつもりが、計画書の発行締切を過ぎていた」という失敗が起こりがちです。早めに相談の予約を取ることをおすすめします。

2
交付決定前に発注・契約をしてしまう

採択通知が届くと「もう始めてよい」と思われがちですが、実際に発注・契約・支払いができるのは、採択後に見積書等を提出し、審査を経て届く「交付決定通知書」を受け取ってからです。採択発表から交付決定までは1〜2か月程度かかる場合があるため、スケジュールには十分な余裕を持たせましょう。

3
創業枠の必要書類の添付漏れ

前述のとおり、創業枠では特定創業支援証明書・決算書類等・開業日に関する書類の3点が添付漏れの多い書類として注意喚起されています。必要書類が不足していると不採択の対象となるため、公募要領の「申請に必要な書類」の一覧を必ず確認しながら準備しましょう。

4
インボイス特例の要件を満たせず全体が不交付になる

インボイス特例は上乗せ部分だけが対象外になるのではなく、補助事業終了時点で要件を満たさない場合、特例を含めた補助金全体が交付されません。希望する際は、補助事業終了時点までに適格請求書発行事業者の登録を確実に完了できるかを見極めてから申請することが大切です。

9よくある質問

Q1
一般枠と創業枠、どちらに申請すればよいですか?

特定創業支援等事業による支援を受けており、かつ支援を受けた日・開業日(設立年月日)が公募締切時から過去1か年以内であれば創業枠の対象になり得ます。それ以外の既存事業者は一般枠が基本です。両枠は重複申請できないため、自社がどちらの要件に当てはまるかを公募要領で確認したうえで選ぶ必要があります。

Q2
商工会・商工会議所に相談しないと申請できませんか?

はい。本補助金は「商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること」が要件のひとつとされており、事業支援計画書(様式4)の発行を受けること自体が申請の必須要件です。社外の代理人だけで商工会・商工会議所への相談や様式4の発行依頼を行うことはできません。

Q3
赤字決算でも申請できますか?

赤字であることだけを理由に申請できなくなるわけではありません。むしろ一般枠では、賃金引上げ特例のうち業績が赤字の事業者について補助率が3/4に引き上げられる仕組みもあります。ただし、第20回公募で新設された課税所得に関する条件など、確認すべき点もあるため、詳しくは別記事「赤字決算でも申請できる?赤字事業者が知っておくべきポイント」や公募要領をご確認ください。

10まとめ

小規模事業者持続化補助金は、既存の事業者向けの「一般枠(<一般型 通常枠>)」と、創業間もない事業者向けの「創業枠(<創業型>)」の2つがあり、それぞれ対象要件・補助上限額・必要書類が異なります。一般枠は補助上限50万円(特例適用で最大250万円)・補助率2/3、創業枠は補助上限200万円(インボイス特例適用で250万円)・補助率2/3が基本です。どちらも商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画を作成し、電子申請システムで申請する点は共通しています。

第20回公募からは、課税所得による制限や過去の採択実績にもとづく再申請制限など、見落としやすい変更点も加わっています。申請を検討される際は、必ず最新の公募要領を補助金事務局の公式サイトでご確認のうえ、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることをおすすめします。

あなたの会社が使える補助金・助成金を、無料で診断できます

いくつかの質問に答えるだけで、申請できる可能性のある補助金・助成金がわかります。申請サポートのご相談は、お問い合わせ・電話・オンラインで承っています。

関連情報: 通常枠とインボイス特例の違いは?補助上限と選び方解説

よくある質問まとめ

個人事業主が申請する際の注意点

関連情報: 小規模事業者持続化補助金の賃上げ加点・特例|最大150万円上乗せの条件

関連情報: 小規模事業者持続化補助金の加点項目一覧|採択率アップのコツ

本記事の情報は公開時点(2026年10月)のものです。