小規模事業者持続化補助金の対象になる条件とは?要件を徹底解説

公開日:編集日:監修:株式会社オットセッテ読了目安:約11分
小規模事業者持続化補助金の対象になる条件とは?要件を徹底解説

「小規模事業者持続化補助金」という名前は聞いたことがあるけれど、自社がそもそも対象になるのか分からず、申請を迷っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、補助金の対象となる事業者の条件を「従業員数」「業種の考え方」「資本金要件」「対象外となるケース」の観点から、実務でつまずきやすいポイントも交えながら詳しく解説します。

1小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等が自ら策定した経営計画に基づいて行う販路開拓の取組や、それと合わせて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援する補助金です。商工会・商工会議所の支援を受けながら申請・実施する点が大きな特徴で、全国の個人事業主や小規模な法人が幅広く活用しています。

この補助金には、通常の事業者を対象とする「一般型 通常枠」と、創業後まもない事業者を対象とする「創業型」があり、それぞれで対象者の要件が異なります。本記事では主に「一般型 通常枠」を前提に、対象となる条件を整理していきます。制度全体の概要や補助率については、あわせて基本をまとめた記事もご参照ください。

💡

公募回によって補助上限額や申請期限などの数値は変更されることがあります。本記事の数値は2026年5月27日公開の公募要領に基づくものです。申請の際は必ず最新の公募要領でご確認ください。

2対象者として満たすべき3つの要件

小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>の補助対象者は、日本国内に所在する小規模事業者等であり、かつ次の3つの要件をすべて満たす事業者とされています。

  • 小規模事業者であること(業種ごとの従業員数基準を満たしていること)
  • 資本金または出資金が5億円以上の法人に、直接または間接に100%の株式を保有されていないこと
  • 課税所得に関する基準や、過去の採択状況など、補助対象外に該当する事情がないこと

それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

要件1:小規模事業者であること(従業員数基準)

「小規模事業者」であるかどうかは、「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」に基づき、業種ごとの従業員数で判断されます。公募要領に示されている基準は以下のとおりです。

業種区分常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

ここでいう「常時使用する従業員の数」は、中小企業基本法上の常時使用する従業員を指し、具体的には労働基準法第20条の「解雇の予告を必要とする者」が該当します。次のような方は、常時使用する従業員の数には含まれません。

  • 日雇労働者
  • 2か月以内の期間を定めて使用される者
  • 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者
  • 試用期間中の者
  • 会社役員、同居の親族従業員
⚠️

従業員数は「申請時点」で判断します。繁忙期だけアルバイトを増やしている場合など、カウントの仕方に迷うケースもあるため、不安な場合は事前に商工会・商工会議所や事務局へ確認しておくと安心です。

業種の考え方はどう判断する?

従業員数の基準を見るうえで悩みやすいのが、「自社はどの業種区分に当てはまるのか」という点です。業種の判定は、現に行っている事業の業態、または今後予定している業態によって判断されます。

💡

「製造業その他」の考え方
「製造業その他」とは、自社で流通性のあるモノ(ソフトウェアのような無形の商品や無形の価値を含みます)を生産する事業、または他者が生産したモノに加工を施すなどしてさらに価値を付与する事業(在庫性のある商品を製造する事業)を指すとされています。
また、「商業・サービス業」「宿泊業・娯楽業」「製造業」のいずれにも当てはめにくい事業(建設業・運送業など)や、区分の異なる複数の事業を営んでいて判断が難しい場合も、「その他」として扱われ、「製造業その他」の従業員基準(20人以下)が適用されます。

自社の業種がどの区分に当たるか判断に迷う場合は、公募要領とあわせて公開される参考資料にも業種の考え方が示されていますので、そちらも確認しておくとよいでしょう。

要件2:資本金・出資金に関する要件

資本金または出資金が5億円以上の法人に、直接または間接に100%の株式を保有されている事業者は、補助対象になりません。

「間接に100%の株式を保有」とは、たとえば自社の株式を直接保有する会社(A社)自体の資本金は5億円未満であっても、そのA社の株式を直接保有する別の会社(B社)の資本金が5億円以上である場合などが該当します。大企業の実質的な子会社・孫会社が、小規模事業者向けの補助金を利用することを防ぐための要件です。

要件3:補助対象外に該当しないこと

上記の2つの要件を満たしていても、次のような事情がある場合は補助対象外となります。

  • 確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が、公募要領に定める基準額を超えている場合
  • 過去に小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠、創業型)で採択を受けて補助事業を実施し、一定期間が経過していない場合
  • 一般型の「卒業枠」や「小規模事業者卒業加点」で採択を受けて補助事業を実施した場合
  • 小規模事業者持続化補助金<創業型>に申請中、または採択を受けている場合
❗

課税所得の基準額については、公募回によって記載内容が更新される場合があります。正確な金額は必ず最新の公募要領で確認してください。必要に応じて、納税証明書等の提出を求められることもあります。

また、過去に採択を受けた事業者が再申請する場合は、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」の提出を完了したうえで、さらに1年が経過していることが必要とされています。代表者が変更になった場合でも「過去の補助事業者である」ことに変わりはない点にも注意しましょう。

3法人形態・個人事業主ごとの対象可否

補助対象者の範囲は、法人の種類や事業の性質によっても細かく定められています。公募要領に示されている例を整理すると、次のようになります。

対象となりうる事業者の例対象にならない事業者の例
会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合、弁護士法人・税理士法人等の士業法人)医師、歯科医師、助産師
個人事業主(商工業者であること)系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者も同様)
一定の要件を満たした特定非営利活動法人(NPO法人)協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
-一般社団法人・公益社団法人、一般財団法人・公益財団法人、医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人
-任意団体、申請時点で開業していない創業予定者

個人農業者が加工・販売を行う場合

個人農業者(林業・水産業者も同様)であっても、農作物の加工や、農作物を使った料理の提供などを行う事業については、その加工・提供に必要な経費は補助対象となり得ます。ただし、農作物の生産そのものに必要な経費は対象外とされていますので、取組内容によって扱いが分かれる点に注意が必要です。

NPO法人が対象になる条件

特定非営利活動法人は、どの法人でも対象になるわけではなく、次の2つの要件をいずれも満たす場合に限り補助対象となり得ます。

  • 法人税法上の収益事業(法人税法施行令に定められた事業)を行っていること。なお、収益事業を行っていても、免税されていて確定申告書の提出ができない場合は対象外です。
  • 認定特定非営利活動法人でないこと。

この要件を満たすNPO法人の従業員基準は「その他」として扱われ、「製造業その他」の区分(20人以下)が適用されます。

4創業間もない事業者・創業予定者の扱い

「まだ開業届を出したばかり」「これから店舗をオープンする予定」という方は、一般型での申請要件を少し気にする必要があります。公募要領上、申請時点で開業していない創業予定者は対象外とされています。たとえ税務署に開業届を提出済みであっても、開業届上の開業日が申請日より後であれば対象になりません。

一方で、創業からまだ日が浅い事業者を重点的に支援する制度として「小規模事業者持続化補助金<創業型>」が用意されています。こちらは、産業競争力強化法に基づく認定市区町村(または認定連携創業支援等事業者)が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受けたことなどが要件となり、対象となる開業日・設立日の期間も「公募締切時から起算して過去1か年の間」といった独自の条件が定められています。創業間もない方は、自社がどちらの制度に当てはまるのか、要件を見比べてみることをおすすめします。

5よくある失敗・注意点

従業員数のカウントを誤ってしまう

「パートタイマーは数に入れていいのか」「役員は含めるのか」といった点で、従業員数のカウントを誤るケースは少なくありません。常時使用する従業員の定義には、会社役員や同居の親族従業員は含まれないなど、見た目の人数と制度上の従業員数が一致しないことがあります。申請前に必ず定義を確認し、不明な点は商工会・商工会議所に相談しましょう。

業種区分を自己判断してしまう

複数の事業を営んでいる場合や、建設業・運送業のように区分が分かりにくい業種の場合、従業員基準を誤って適用してしまうと、採択後に要件不備として扱われるおそれがあります。判断に迷う場合は、独自に判断せず、事務局や商工会・商工会議所に確認することが大切です。

重複申請・同時申請に関する見落とし

一般型と創業型は重複して申請することができません。また、同一事業者からの応募は同一受付締切回につき1件までとされており、代表者が同じ複数の法人による申請や、個人事業主と、その方が代表を務める法人による同時申請も認められません。複数応募が判明した場合は、すべて不採択となる、あるいは採択後であっても遡って取り消される点に注意しましょう。

⚠️

複数の屋号を使用している個人事業主であっても、応募は1件のみです。「屋号ごとに申請できるのでは」と誤解しやすいポイントなので、あらかじめ確認しておきましょう。

6よくある質問

Q1
個人事業主でも申請できますか?

はい、商工業を営む個人事業主であれば対象になり得ます。ただし、業種に応じた従業員数基準を満たしていること、申請時点ですでに開業していることなど、他の要件もあわせて満たす必要があります。

Q2
従業員が業種区分の人数を超えたら対象外になりますか?

業種ごとに定められた従業員数基準を超える場合、原則として小規模事業者には該当しません。ただし一般型には「小規模事業者卒業加点」という別枠の仕組みもあります。自社の従業員数が基準に近い場合は、公募要領の該当箇所をあわせて確認することをおすすめします。

Q3
過去に持続化補助金を使ったことがあると申請できませんか?

過去の採択・実施状況によっては、一定期間、再申請ができない場合があります。特に「卒業枠」や「小規模事業者卒業加点」での採択歴がある場合は、今後の申請対象外とされていますので、自社の過去の申請履歴を確認したうえで判断してください。

7まとめ

小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>の対象者になるためには、業種ごとの従業員数基準を満たす「小規模事業者」であることに加えて、大企業に実質支配されていないこと、課税所得や過去の採択状況などで補助対象外に該当しないことが必要です。特に業種の判定や従業員数のカウント方法は誤解が生じやすいポイントですので、申請前に公募要領を丁寧に確認し、不明点は商工会・商工会議所や事務局に相談することをおすすめします。

自社がどの要件に当てはまるのか、また創業型と一般型のどちらが向いているのかなど、判断に迷う部分があれば、専門家に相談しながら進めるのも一つの方法です。

あなたの会社が使える補助金・助成金を、無料で診断できます

いくつかの質問に答えるだけで、申請できる可能性のある補助金・助成金がわかります。申請サポートのご相談は、お問い合わせ・電話・オンラインで承っています。

補助金の基本と補助率を解説

赤字事業者の優遇ポイント

関連情報: 小規模事業者持続化補助金の賃上げ加点・特例|最大150万円上乗せの条件

関連情報: 小規模事業者持続化補助金の加点項目一覧|採択率アップのコツ

本記事の情報は公開時点(2026年10月)のものです。