賃金台帳|労働基準法に定められている10項目の記載事項とは?
『業務改善助成金』や『小規模事業者持続化補助金|賃金引上げ枠』等の申請において必要な賃金台帳において、必要な記載事項が不足しているケースが多く発生しています。その項目をまとめました。
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業務改善助成金は、事業場内の最低賃金が、地域別最低賃金より+50円以内に収まっている場合のみ申請することができます(2023年11月27日現在)。
但し、申請されるコースによって、その枠を拡充することも可能です。
例として、東京都の事業者で従業員数は3名、「地域別最低賃金より+50円以内」に収まっている従業員数は1名いて(Aさん)、90円コースを申請するという場合を解説します。2023年11月27日時点での東京都の最低賃金は1113円です。
氏名 | 現在時給 | 引上げ後の時給 |
---|---|---|
Aさん | 1100円 | 1190円 |
Bさん | 1180円 | 1270円 |
Cさん | 1200円 | 1290円 |
上記の場合、Aさんの現在時給1100円が当事業場の最低賃金となります。1100円を基準として「+50円以内に収まっている」ことが申請要件となるので、当事業場の申請対象者は「1110円~1160円」に収まっている人のみと考えがちで、1名分しかカウントできないと考えがちです。
しかし、Aさんだけを90円引き上げた場合、今度はBさんの1180円が当事業場の最低賃金となってしまいますので、BさんもAさんと同じく90円引き上げる場合は「2名分」としてカウントすることができます。この拡充の考え方は、あくまでAさんもBさんも両方同額引き上げる、場合のみ適用されます。
表にまとめると下記の通りとなります。
氏名 | 現在時給 | 引上げ額 | 引上げ後の時給 | 申請基準の考え方 |
---|---|---|---|---|
Aさん(〇) | 1100円 | 90円 | 1190円 | 新事業場内最低時給 |
Bさん(〇) | 1180円 | 90円 | 1270円 |
現在時給がAさん引上げ後の1190円未満、 且つ引上げ額がAさんと同額 |
Cさん(×) | 1200円 | 90円 | 1290円 |
現在時給がAさん引上げ後の1190円以上の為、 引上げ額がAさんと同額でも対象外 |
上記の通り、90円コースの場合、1名だと「最大助成金170万円」、2名だと「同240万円」となりますので、大きな差が生じますね。この「拡充の考え方」について知らない場合は、1名で申請してしまうこともあると思いますので、注意が必要です!
なお、Cさんの場合は、Aさんの賃金引上げ後の1190円を既に上回っているため、仮に今回のタイミングでAさんBさん同様に90円引き上げたとしても、申請対象者とはなりません。
ちなみに、、、
この場合、Cさんは申請対象外ですので、AさんBさん同様に賃上げする必要もありません。
以上、申請対象者の拡充についてのご説明でした。
この記事が、皆様方のお役に立てれば幸いです。
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